「ついでにあれやな。
ええ身体に産んでくれてありがとう思ってんねん。
身長も十分やし、足も長いし、体力あるし、ムスコもでかいし。
問題なしや」
「問題はその性格だな」
ポツリと嫌味を言うカツリョウ。
けど、それが合ってるような気がするだけに反撃でけへん。
「でもT校ではエースでバリバリチームまとめてますみたいな感じだったけど」
ええこと言ったのは小柴だった。
「まぁ大阪人ゆうたらたいがい誰でもムードメーカーやけど」
「でも選抜でもインハイでもインタビューとか受けてただろう?」
「そこはエースやし?
ちゃんと得点するとこは得点決めるし?
ほかのブサイクテレビで映すよりオレ映しといたほうが学校のイメージも上がるやんか」
クスクスとなんとなく場がほぐれてきた気がする。
というか、引いた波が戻ってきたかも。
「地元の局のアナウンサーのお姉ちゃん受けはよかったで」
「年上もいけるのか」
「ストライクゾーンは狭いけど、時々臨機応変に広くなんねんって」
カツリョウは完全に脱力していた。