けど。

 これ続けてたらあかんな。

 確実にあかんわ。

 というわけで。


「リョウ」


 オレは続ける。


「オレは、お前を傷つけてないんやったら、最低限それでええねん」


「え?」


「今日学校を休んだんは、風邪かオレのせいかはようしらん。

 けど。

 お前のこと、傷つけたくはないねん。

 そういう気持ちはほんまの気持ちやねん。

 せやから、聞きたかってん、お前の気持ち。

 怒らせて、傷つけたんやったら、あやまる。

 けど、もしそうやないんやったら、それでええねん」


「響くん」


「突然のことやったし、少なくとも戸惑いはあるやろし?

 これ以上責めるのはなしやな」


 リョウは上目遣いでオレを見る。



 うん。

 いつもと違う。

 オレの気持ちを探るような目。

 こんなん、いつもしたことない。

 いつもはだって、いつだって。

 自信満々な女やったから。


「あやまらんでも、ええか?」


 リョウはうなずく。

 たぶん、迷いなく。

 うなずいて、オレの目を意思を持って見て。


「あやまらなくて、いい」


 そう言うてくれた。