「最終的に最初の問題に戻るけど、怒ってるんか?
それだけ答えてくれへんかな?」
100歩譲ってもそこまで。
それだけは聞かなあかん気がする。
それを聞かへんかったらオレ達はうまくやっていかれへんようになる。
せやから。
「わたし」
口を閉じて耳をすます。
リョウはオレをそっと視界からはずしながら言葉を続ける。
「怒ってないと思う」
ほっとした。
それが正直な気持ち。
「怒ってない、そういう気持ちは全然なかった」
「それやったら、飛び出したんは、動揺したから?」
「うん」
「オレが断りもせんと突然抱きしめたりキスして、戸惑ったから、飛び出したんか?」
「うん」
「も一つ答えられるか?」
「え?」
「イヤやった?」
「それは」
リョウは口ごもる。
それまでスムーズに返事ができてたのに。
なんでやねん。