子供か。



 オレはため息をつく。

 するとリョウは不思議そうにオレを見た。


「おまえ、意外と子供やな」


 そう言うとリョウは目を大きくする。


「子供?」


「オレにガタガタ言われてすねてたやろ?

 子供やな」


「そんなこと」

 とは言うものの、それ以上は何も続かなかった。

 口ではオレには勝てへんやろ。

 自信はある。


「けど。

 オレの言うてること間違ってるか?」


 今度は視線をそらさないリョウ。

 オレはまじめに問いかける。


「おまえはいつもこんなむっさい部屋におんねん。

 せっかくの休みや。

 もっと女子高生らしいことしてこいや」


「女子高生らしいこと?」


「買い物に行くとかなんやらあるやろ?

 もっとおしゃれさんになるように、おまえは努力すべきや」


「努力?」


「磨いたら光るやろ?」


 ぱっと。

 リョウの頬に赤みがさすのをオレは見逃さへんかった。

 というかむしろ。

 目を奪われた。