「遊莉。覚えてないのか?俺と遊莉は小さい頃、魔界で会った。」
「………え?」


「すべて話そう。
遊莉に会ったのは宮殿の前。遊莉の親が魔界と天界と縁を切るために魔界に来てた。
俺は遊莉に会ってしばらく一緒に遊んでた。
そしてなかなか遊莉の親が縁を切るコトを許されなくて、よく魔界に来るようになり、そのたび俺と遊莉は一緒にいた。」

「……」

「…お互い好きにもなった。ガキのくせに約束までした。結婚のな。俺はまだ幼かったから、親父…つまり元魔王に話した。
遊莉は悪魔の遺伝子より天使の遺伝子の方が強くて、[天使と次期魔王になる悪魔が結婚など許せん]って言われて…
遊莉の親と魔界は完全に縁を切って。」






托人は下を向いて、一呼吸した。



















「遊莉は俺と魔界の記憶を完全に消された。」