あたしは、恋愛まったく経験ナシの初心者ってこと。

みんなからは、あたしの姉がいつも違う男と歩いているから、あたしもそうなんじゃないかって、思われて………

最初は噂だけだったのに、あたしはいつのまにか恋愛上級者になっていた。


初心者なのにぃ〜

違うっていえないあたしもあたしだけどさぁ……




「いいよね。男に不自由なくて……」
「別に……」
「謙遜は嫌味よ?」
「ウッ………」
「じゃあさ、したことあるんだ♪」
「へ?」
「キス……?」
「ぶっ!?」

キスぅ!????
キスなんてとんでもない!
「したことあるんだぁ…あたし、まだないよ…」
「あら?あたしはあるわよ?」
「ま、円香が?」

意外………

腹黒毒舌女の円香が?

一見おとなしそうな顔して実は鬼の円香が?


って、失礼(笑)


「どうだった?」
「大人の味ね。」
「うそだぁ……あたし…………あたし………」
「蘭、落ち着いて。」


ガーンΣ( ̄□ ̄;)

円香ってば……
先越された。

うー。
瑠璃にも円香にも置いてかれた…

仕方ないよ……
瑠璃はボンキュッボンのナイスバディで、大人顔負けだし……
円香は、腹黒毒舌S攻撃で男もイチコロだし……

あたしだけじゃん?
特徴ないの……


「元気だして、蘭…」
うっわー。
うざいね、円香の哀れみをこめた笑顔。

「あたしだって頑張るし。」
「蘭なら、大丈夫よ。」

瑠璃っ。
いい子。




「泣かない、泣かない。」

あたしってば、何上から目線してんの?
あたしだってしたことないのにぃ。

いつのまにか、生徒会室の前まで来ていた。


確かに、小等部よりも広いい。

わぁ………

「あり?真、アレン。玲央君は?」
「あぁ。新入りなら、となり。隣のVIP専用視聴覚室。」

視聴覚室?
何してんだろ。





あたしは、視聴覚室に行ってみることにした。