タケシは興奮に打ち震えるリョウタに向かって


「もう、学の事は終わった話だろう!?未だにお前は過去を引きずったまま、生きているのか!?」


「当然だろ!あいつは俺を裏切ったんだぞ!?」


「お前はあんな裏切り者の肩を持つのか!?あいつのお陰で、俺は未だにCDも出せない状況なんだぞ!」


「それは違うだろ!?学は高1の頃からプロを夢見て、必死に頑張っていたんだ!」


「俺が学の立場だったら同じ事をしていたと思う。そもそもの原因は、お前が学に曲を書かせなかったからだろう!?」


「学の才能を認めようとしなかったお前に責任が無いなんて、俺は絶対に言わせないからな!」


リョウタは己の自惚れが招いた事実を認める事から完全に逃避し、全てを学に責任転嫁している卑怯な自分を受け入られずにいたのである…。