もはやタケシの胸中には、嫉妬心など起こす隙間はどこにも存在せず、寧ろ完全に魅了され捲くっている状態であった。


「あいつは、あいつはやっぱり選ばれた人間なんだ!ギターを弾く為に生まれて来た人間に違いない!」


「悔しいけど、今の俺とは比較にならない位置にあいつはいるんだ…」



「学、俺はお前の背中をひたすら追い続けて此処まで来た」


「だけど、こうして格の差を現実問題として見せつけられると、正直言って俺は自信を無くしそうになるよ」


「でも俺は絶対に諦めたくは無いんだ!いつの日か、お前の眼に届く場所に俺はきっと立ってやるぜ!」


「学の野郎!俺が今此処で、お前を眺めているとは多分思ってないだろうな」


「悪いが、俺は此処にいるぞ!これからもお前の背中を追い続けてやるから観念しやがれ!」