「要するに、エゴイズムの塊みたいな人間らしいんだ。まあ、会ってみれば分かると思うけど…」


エゴイズムの塊!?それは正直言って非常に困るではないか!


我が儘な奴程、バンドの統率力や連帯感を破壊する一番の根本原因はないのである。


良い意味での頑固さであればまだ我慢が出来るものの、悪い意味での頑固さ程、醜悪で汚くて手がつけられない代物はないのだ。


「一応、会うだけ会ってみるわ。かなりデンジャラスな香りがするけど。コウスケ、ありがとうな!」


「とにかく早くメンバーを固定させて、活動を軌道に乗せなよ。それじゃ!」


何だか嬉しさと不安の入り混じった複雑な気分に襲われたタケシは、ギターを抱えて両眼を閉じる。


すると何故だか分からないが、タケシは真剣に


「トッポジージョのエンディングテーマ」


を熱唱していた…。