「あんたどうやって屋上入って来たの?」

「ドアが開いてて、勝手に入ってすみませんでした」

私は深く頭を下げた
けれどそれより彼の低い声が
胸の高鳴りがあがってゆく

先輩は何も言わず立ち上がり
私に一つの鍵を渡した

「屋上の鍵」

「えっ?また来ていいんですか?」

先輩は何も言わず頷いた

「けど先輩の鍵がなくなっちゃいますよ」

「それスペア」

そう言って少し微笑んで
屋上をあとにした

ドアが閉まると私は地べたに
座り込んだ

私はもうわかってた
あなたに一目惚れしてしまったと…