母の連絡先は
一応 知ってるけど・・・


母が 家を出てから
10ヵ月…


一度も連絡は
とっていない。

以前の私なら
きっと 放っておいて
そのままにしておくだろう…


けど……

母への憎しみが
少しずつ
薄れてきている今…

ちょっと
連絡でもしてみようかな…
と思っていた。

家に帰り
電話をしようと
受話器を手に取るが…

なかなか勇気が出ない。


連絡先の電話番号は
家電だし…
誰が出るか わからないし…


んー…どうしよう…


時間だけが
無駄に過ぎていく・・・


一時間以上 ずっと悩んで
ようやく
かけよう・・・と
決心した。


プルルルル…
プルルルル…

3回のコールのあと

「はい、もしもし」
と言う声が 聞こえた。


…うわぁー…

懐かしい声だ…

「もしもし?どなた?」

母が言った。

『あっ…
お、お母さん?
私…エリだけど…』


「…エリ…!?
どうしたのよ!?
何かあったの!?」

母は あまりにも突然な
私からの電話に
すごく動揺していた。

『いや…あのさ、
さっき銀行に
行ったんだけどさ…
今月 40万も入ってたから
どうしたのかなー
って思って…』