「私も頑張っちゃおうかな・・・西野さんに」涼子が西野さんの話をすると、いつも目がきらきら光る。 

僕はそんな彼女を見るのが、ちょっと辛い。
「上手くいかないといいな」僕は枝豆を口の中に弾き、ビールで流し込む。

「ほっといてよ・・・どうせ駄目なんだから」涼子はちいさく息を吐く。

「駄目でも気持ちは伝えないといかんだろうな・・・損だ。 そんなに想っているなら・・・黙っていては相手にわからないからな」僕は少し迷ったが、涼子の為にはそうした方が、いいと思った。 

同期としてのアドバイスかな・・・。 でも、西野さんの転勤話が、出ていなければ、僕の口からはこんな言葉は出なかっただろう。