帰りがいっしょと言っても、偶然は待っていられない。 女子社員は、帰り支度を始めてから、ロッカールームで制服を着替える。 

涼子が、帰り始める時間に、僕の仕事が片付けば、上手く涼子が帰宅する時間に合わせられるのだ。 

この日は、たまたま、社内の階段でロッカールームに向かう涼子を見かけたし、仕事も片を付けていたので、涼子と帰り時間を合わせることが出来た。 

僕と涼子は、並んで歩き、夕方の日のあるうちに、駅に向かっている。 地方都市といっても、それなりに会社も多く、僕ら同様家路に向かう人は多い。