「どうかしたのか、葉月…?」
それは、神田くんだった。
神田くんとは最近、席も隣ということもあって少しだけ話せる仲になっていた所だった。
「あっ、神田くん!おはよー。」
いつも通りに挨拶をした。
「おう、おはよ。
何か元気なくないか?」
「そんな事ないよー!全然いつもと一緒だよ♪」
明るく答えてみた。
…あれっ!?もしかして、今日パパやお兄ちゃんに言われた事言ってる?
「風邪でもひいたか?」
「うん、もしかしたらそうなのかも!?」
私は嘘をついてしまった。
本当は風邪なんかひいてないのに……。
でも神田くんに言っても意味がないと思ったから…。
「そっか、気をつけろよっ!!今、夏風邪とか流行ってるらしいから…」
そういうと神田くんは教室を出て行った。