「ちょっと待ってよ……」


あたしは動かない喉で必死に声を絞り出した。


「意味分かんないよ、そんなに上手くいくわけなくない?」


「何が?」


「実流が入ったからこそあたしたちはそれなりに名前が通ってるわけで……」

「それはね――よ」

「え……」

「むしろオレが入ったから逆効果だったんだろうな……

世間はロマスタとスターライトを類似バンドとして見る」



実流は哀しそうに笑った。




「スターライトとロマスタの魅力の違いはヒロミと香保の歌声の違いなのにな」