「ねぇ実流さん。クリスマスはライブとかの予定入ってないんスか?」

「あぁ。そーだ」


康人の急な問いかけに

思い出したように実流がゆっくりと口を開いた。



「あるよ。駅前巨大ツリーの真下で」




一瞬あたしの背中に悪寒が走った気がしたんだけど

気付かなかったことにした。



実流が言っているのは

間違ってもあの駅じゃないと信じた。


ここらへんじゃあの駅の前にしか巨大ツリーはないのに。



でも……


あそこは……




冬の季節にあそこに行くのは




まだやっぱり怖い。