「いや、別に誰も清音の事、卑怯だなんて思わないけど」


「でも、バンドやめるつもりだった事も、黙ってたし。 全部、知られずにいればいいと思ってたの…」


「……」


「そんなのダメだと思った時には、どんなタイミングでどこから話せばいいのか分かんなくなっちゃって…っ」


「うん」


「でも聞かれたら、何にも答えられないの。 あたしも、何にも分かんないの。 霧がかかって何も見えないみたいに」


「うん」


「ごめん…っ」


「別に、いい」


「え……」


「いーよ。 清音が話したい時に、話したい事を話せばいい。 誰もを責めたりしない」


「うん……」