――嫌われた…




顔に風が斬った。




私は走ってた…





その場を全速力で走っていた。





走って、走って



誰もいない所に逃げていた…。




「香澄ちゃん…!」



新斗さんの私を呼び止める声が聞こえた。





だけど



「新斗ダメ!!」



すぐ後に美佳さんの声が聞こえた…。






振り返らなくても分かる…






新斗さんは美佳さんの掴んだ手を拒んでないことなんて――。