―クス…






美佳さんは口元を緩ませながら私を見ていた。






「あんた人の事言えんの?」






少しずつ私の元に近寄ってきた…。






「あんたなんて『物として扱った』だけじゃなくて、人の彼氏をお金で買ってたじゃん」








振り上げられた掌――。








「あんたの方が最低よ!!!」










瞬間、殴られるって思った。





だけど、美佳さんの腕を掴み止めたのは大きな手だった。





「――やめろ美佳!」





「新…斗!」



その手は新斗さんの手だった…。







だけど私は


殴られた方がよかった…








――今の




全部聞かれた?