写真が苦手?


今時の女子高生や何かは、何でもかんでも写真を撮ったりするから、写真が苦手と言う事を不思議に思った。



「写り悪いし…残るし」



ずぅん…と言うような表情をするももが、やっぱり俺の心臓を鷲掴みする。



そんな姿に、思わず顔が綻んでしまう。



「せっかくだし黒板に何か書こうぜえ!!」



「龍雅って絵心ねえだろう?」



「そうなんだ!!あ〜…でも確かに下手そうだね〜」



わいわいと盛り上がるみんなを余所に、ももが渋い顔をする。


ついでに美春まで乗り気で、宗太と龍雅の書く黒板を、俊と共に笑いながら見ていた。



「俺も。写真撮られるとだいたい顔が怖い」



「……へ?」



「だから大丈夫だ」




写りが悪いのは確かだし、写真って撮り慣れてない。


携帯で景色や物の写メは撮っても、撮られる事は抵抗がある。



何だか青春ごっこみたいな景色に、胸がぽっと暖かくなる。


まだ知り合って間もないのに、何だろう…この、安心感っつーのかな?


落ち着くと言うか…何よりも楽だ。



「どう大丈夫かよく分かんない」



そう言ってフッと笑うももが、俺に遠慮なくクスクスと笑いだす。



「おーい!!お前らも何か書けよ!!」



そんな言葉に顔を上げると、すぐに黒板が目に入ってくる。



でかでかと、赤いチョークで書かれたちょっと不細工なハート。


男らしい字で書かれた、カップル誕生!!




うん…シンプル…すぎて寂しくも感じちまう気がするんだけど…。