「もも。下駄箱まで一緒に行こう」



「ん?うん、いいよ。美春は俊ちゃんと帰るみたいだし」



関わりたくない人種。

ナンバーワン。


それになにより、少しでもコイツと一緒に居たかった。


人は見かけで判断しちゃいけないってのは分かってる。


でも、俺の直感的な感覚が、拒否反応をするんだ。


だいたい、そんな本能的な直感って、結構外さない。


それになにより、あの目つきは少なくともそんな事を物語っているのは間違いないだろう。



なんなんだ…めっちゃ俺見られてる。



「るぅ〜!!もも〜!!ちょっと寄り道してかねえ〜?」



「おい…俺は良いなんて言ってないぞ」



「何だよいいじゃねえかあ!!どーせ暇だろ!!」




ひしひしと感じる視線を無視して、そんなやり取りに耳を傾ける。


明らかに俺を見ていたあの目は、やけに自信に満ちていた。



何だか嫌な胸騒ぎがして、それを掻き消す。



関わらなければいいんだ。問題ない。


それに何より、キョーミがない。




「るぅちゃん、寄り道だって」



「ん?…あ、あ〜俺は別に予定ないからいいけど」




できる事ならば、声なんて掛けてくるなんて事はないでほしい。


よく思い返してみると、クラスメートではないようだし、他のクラスだろう。


そう思うと、今後関わる事もなさそうで、少しだけホッとする。


なんてったって、面倒な事は大嫌いだし。


うーん…ここは目を合わせないようにした方が無難だな。




「よし!!じゃあ行こう!!レッツゴー宗太んち!!」