目の前まで全力で掛けより、息切れに膝に手を付いて俯く。
いろいろと言わなきゃいけないのは分かっているけど、息が上がっているので喋る事ができない。
「…なんだ?おい瑠衣斗。お前の追っ掛けだぞ」
「おっ…追っ掛け…?はあ、なんだよそれ…」
ふと振り返ると、ゾロゾロと俺に遅れてきたみんなが、息も絶え絶えに駆けてくる。
げ。マジで付いてくんなよな〜。
ゆっくり深呼吸して、息を整える。
そして、謝ってみる。
「…ごめんなさい」
「許さん」
「………。」
お…鬼め……。
背後からは、やっぱり俺に対しての文句が飛び交う。
少し振り返った時に、何だか楽しそうな顔を浮かべたみんなの中に、1人だけ苦笑いしたももの顔が焼き付いている。
こうして全員で付いてこられて、ちょっと迷惑ではあるが、内心嬉しかったりする。
気にかけてもらっていると言うか、とにかく何だか嬉しいんだ。
あんな事話して、あんな事があった後なのに、今までと変わらない態度に俺はホッとしたんだ。
「うおー!!…るぅのお兄さまちょー格好良し……」
格好良しって何だ、格好良しって。
「やっと…追い付いた…はあ、えっと、初めまして。松風君の、愉快な仲間達です」
息も絶え絶えな宗太の言葉に、突っ込みたくなる。
普通にクラスメートって、どうして言わないんだろうか。
機嫌を損ねてしまったお兄様を、俺は恐る恐る見る。
そして思わず、顔がひきつってしまったのだった。