「入っておくれ。」

階段を上って、右側に障子の部屋があった。 

僕は、お菓子か小遣いでもくれるのかと思っていた。 

その時だった。

「何これ!」
僕は思わず叫んでしまった。

障子の向こうには、学校の教室くらいの広さの部屋があって、その半分は新聞や何かの資料でうめつくされていた。 

「まあ入ってくれ。」
じいさんは、笑いながら手招きした。 


「何、これ?」

「哲太、お前ミステリーは好きだったのう?」

「好きだけど……」