「ハルヒト、」

先に沈黙を割ったのは、哲太の方だった。

「ん?」

「しばらく僕の家にいなよ。」

俺は、哲太の言葉に少し驚いた。 

「いいのか?でも、少し生活不便になるんじゃねーか?」

「いや、別に。」


俺は、少しためらいながら哲太の家に行く事になった。 

「おかえりー。」
哲太の母さんか誰かの声が聞こえた。 

「何かいいな、お前。こういうの。」
思わずそう呟いてしまった。 

家があって、家族がいて。「おかえり」って良い言葉だ。