夢だ。 

幻だ。 

僕は自分の頬をおもいっきりつねった。 

「痛い……。」


「ほらな!だから嘘じゃねえって!なぁ哲太。」
そう言うハルヒトは顔をくしゃくしゃにして笑っていた。 

今僕らは空を飛んでいる。宙に浮かんでいる。 

笑うハルヒトの後ろには、ただただ青い空が広がっていた。 


「俺、この世界に来て良かったわ。初めて、哲太みたいに俺の事見える奴に会ったからよ!」


「僕はまだ信じられないね。」

「そうか?」

僕は信じられないなどといいながら、内心は何だかすごくワクワクしてて…… 

すごい奴と出会っちまったかもしんねぇって。 
僕の鼓動がどんどん早くなっていた。