突然の出来事に、長く立ち話していた事に気付き、ふと周りを見回していると、道を通りゆく人たちが僕の方をジロジロと見ている。 

「なぁ、何か僕、ジロジロ見られてるんだけど……」
そう言うと、ハルヒトはニカッと笑って 
「だって俺、透明だから。」

「は?君、何を言ってる…」

「俺はお前にしか見えない。だから、他の奴らからすれば、お前が一人で喋ってるように見えちゃうんだよ。」

「まさか……」
僕は、これができれば夢だと信じたかった。 
今こいつが言ってる事は幻だ。 
こいつの存在自体、幻なんだ。 

そう自分に言い聞かせていた。