う……そ……


おまわりさんがいる。

おまわりさんが、こっちを見て微笑んでる。



茫然と立ちすくんでいる私に向って一歩ずつ歩み寄るおまわりさん。


私の高鳴る鼓動は落ち着くことなく、指先が訳もなくビクッと動いた。



「おっ、おはようございます」


昨日出すことが出来なかった声が、必死になって喉から飛び出た。



「おはよう。今日は早いんだね?」



眩しい朝陽を背に、優しい微笑みが私の瞳に映る。



今日は……って

それって、いつも私が交番の前を通ってることに気づいてたってこと?



おまわりさんの言葉に、私の心は踊った。


嬉しい。

私のことを知ってたなんて……。



だけど、変な焦りが同時にうまれた。


だって、おまわりさんは、私がおまわりさんを見てたことに気づいてたのかもしれない。