浅い眠りのまま目が覚めた私は、いつもより早く家を出た。



きっとおまわりさんのせいだよ。


おまわりさんのことが頭から離れなくて、夢の中でもおまわりさんを想ってたから……。




私はいつものように足早に交番の前を通り過ぎようとした。


だけど、

そんな私の鼓膜を「おはよう」っていう声が揺らした。



えっ――

今の、声……




毎日聞き慣れた『おはよう』が

私の鼓動にスイッチを入れた。



どき、どき、どき――





高鳴る鼓動を感じながら、ゆっくりと振り返った私の目に映ったのは


栗色の髪を朝陽で輝かせたおまわりさん。