夕食の時間、お喋り好きのおばあちゃんが今日の出来事を話した。
動けなくなったおばあちゃんを、若い警察の人が助けてくれたって。
「美樹ちゃん、あの若い警官さん素敵だったわね?」
嬉しそうに話すおばあちゃんが、私に話しかける。
えっ!?
おばあちゃん、そんなこと私に聞かないでよ~。
どきっとした胸の音と同時に、箸でつまんでた唐揚げを落とした。
「そ、そうかな?」
「おばあちゃんがもう少し若かったら恋をしてたかもしれないわ」
ふふっと笑い味噌汁を飲むおばあちゃんを見て、お母さんが微笑みながら口を開いた。
「あら、そんなに素敵な人だったらお母さんも会ってみたいわ」
ちょっとちょっと、お母さんまで……。
お父さんがいない女だらけの食卓はいつもこんな感じ。
おばあちゃんとお母さんは近所でも有名なくらい仲が良くて、私は喧嘩をしてる所を見たことがない。
世間でいう姑嫁の争いって何? って感じ。