「行こうか」
「うん」
にっこりと微笑むおまわりさんに、私は笑顔で頷いた。
ベランダから外に出ると、智子と拓也くんが笑顔で花火を手にしていた。
その姿を見ただけで、二人の気持ちが一つになっていることが伝わってくる。
よかったね、智子。
拓也くんは素敵な彼氏だね。
「早くやろうよー!」
智子の声が静かだった夜空に響き、私とおまわりさんは花火が入っている袋に駆け寄った。
赤色、青色、緑色、黄色。
私達が手にする花火から、点火と共に様々な色が生まれた。
とても綺麗で、間近にすると目を細めてしまいそうになる花火の不思議な光。
その光と白い煙の中には4人の笑顔があった。