「美樹……ちゃん?」
涙を落した私に驚いて、おまわりさんが慌てて口を開いた。
「あっ、違うからね?!
今のは無理に名前で呼ばなくても良いってことで、美樹ちゃんを責めてるわけじゃ――‥」
私はいつもより早口なおまわりさんの言葉を、おまわりさんの動揺している体に抱きついて止めた。
「ありがとう、おまわりさん……」
こんなふうに思いっきりおまわりさんに抱きついてる自分が不思議。
恥ずかしくて、想像しただけで体中が固まっていたことなのに……。
だけど、もう止めることが出来なかった。
『好き』が体中から溢れだして、
『好き』をおまわりさんに伝えたくて、
私の心がおまわりさんを包みたくなったんだ。