「(身長高いな…)」
篠岡ぐらいか…?
柔軟をしっかりしてグランドに入った。
1年らしい先輩と
横でキャッチボールをしてる。
その後強めに投げてからバッピで投げた。
試合でもないのに、
伊藤に見とれてしまった。
凄かった。
「(これが甲子園で勝てる投手…か)」
篠岡と逢ったときとは違う…。
篠岡は割り切れてた。
『あぁやっぱりシニア出は違うわ。
負けたな』
って割り切れてた。
でも伊藤には、
『こいつに勝たないといけない』
っていう強くて大きなプレッシャーがある。
数時間後には実戦形式をしていて、
投げ込み禁止の人以外は本気で投げてた。
打者も本気で打っていた。
その中には伊藤もいた。
「凄いな…。
俺ら今からこんな所でやるんだな」
「正直、怖いよ…俺。」
「大丈夫。…俺もじゃけん」
怖くて不安で、
でも逃げられなかった。
逃げちゃいけないから。
怖いけど最後まで練習を見ていた。
3年らしい先輩は先に帰って
残りが片付けをしていた。
片付けが終わった後に
2人で先輩に話し掛けてみた。
明日から練習に参加してもいいかって。
そしたら後で連絡するって言われて
番号を教えた。
練習はたぶん午後からになるかもって
先輩が言っていた。
最初の方は午前か午後って言ってた。
だったら伊藤はどんだけ前から
練習に参加してたんだろ…。
普通に1日参加してたっぽいよな…。
午後練には少し遅れてたけど、
ランニングしていたのかも。
汗だーだーだったから。
そぅ思うと悔しかった。