「これからよろしくな」
「おぉ!!」
大輔が大学での最初の友達だった。
「明日から練習出るん?」
「でるつもりだけど…川越は?」
「出るつもり♪
あと大輔でいいから大地って呼ぶな!!」
「おぉ!!」
「ポジションどこ?」
「ピッチャー!!」
「マジで!?俺も!!」
「すげぇ!!これから頑張ろうな!!」
「な!!」
大輔といると楽しかった。
大輔といると明るくなれた。
頑張ろうなってお互いに言って、
ずっと前からの知り合いみたいな感覚だった。
アドレスも交換して
しっかり練習を見ていた。
「なぁさっきから
あそこで柔軟してんのって誰かわかる?」
指を指して大輔に教えると
大輔は普通に答えた。
「伊藤だよ。伊藤篤志。
東東京代表で甲子園に3回出てる。
今年の大本命じゃろ。
セレクション、同じ日だったんだけど、
先輩達も知ってたけんな。」
ちなみに最後の甲子園は準決勝で負けた。
と付け足して大輔はえらく落ち着いていた。
「俺、初めて行った甲子園な?
伊藤と当たったんよ。」
「……。」
「3安打完封。
ちなみに俺は9回10安打4失点。
完璧に負けた。
元々俺、この大学に行きたかったんだけど、
伊藤いてビックリしたよ。
でも、嬉しいんだ。
おかしいよな。
意味わかんねーよ。」
俺は「わかるよ」
って言って伊藤を見ていた。