切符を買う時間すらも惜しい。

気分的に走りたくて

駅まで走って行った。

駅まで走っていくと健がいた。




「よッス」

「ハァ…よ!!」

「走って来たのかよ;;」

「走りたい気分だったから」

「それ以上足の筋肉育てんな;;」

「育てるってなんだよ;;」

「お前の足筋肉あり過ぎて恐いんだよ」



でも走るのってお徳なんだ。

足だけじゃなくて

腹にも少し筋肉が付くし

持久力も付くし。

俺にとっては長距離走るのって

けっこう好きなんだ。





「出るのって明日だっけ?」

「うん」

「6時だっけ」

「そ、」

「行くの早くない?」


「あっちに親戚の家があるから

1ヶ月近くあっちで下宿しながら

練習だけ出るから」


「いいのかよそんなの;;」


「この前電話して訊いた。

それに東京の奴等は

もぅ練習に参加してんだし

…遅れたくないんだよ……。」


「………そっか。」




その後切符を買って、

健と話しながら家に帰った。

明日は早いから9時過ぎには寝た。

明日が恐いって思う自分と、

明日が楽しみって思う自分がいる。

不思議な感覚だった。