「大地手伝って…」

「ぃや、部活出ないと…。」

「引退してんだから!!」


「ぃやぁだって俺、

下手くそだから練習しないと―…」


「全然下手くそじゃないから!!」

「はっ!?」

「下手じゃないって〜っ!!」

「……。」



「大地部活行くぞ!!」


横からにょこっと出てきた篠岡の声に

びっくりして気付かされた。


「お、おぉ!!」



田中には泣き付かれたけど、

「ごめんな」って言って

走って部活に行った。






グラウンドに行くと

部活はもぅ少しで始まりそうで焦った。

慌てて着替えて準備をする。





冬場はとにかく基礎を固める。

ランニングはもちろん、

ウエイトや体幹トレーニングなど

土台作りを多くする。



ランニングは夏場の2倍になって、

後輩はキツいって言っていたけど

帰りに走っている俺には普通だった。

篠岡も走りだしていて、

唯一勝っていた持久力も危うくなってきた。




篠岡といえば、

プロ入りを果たすことが出来た。

育成ドラフト5位だった。

育成で入った選手はまずは

支配下登録されないといけない。

支配下登録されれば

背番号は二桁以内になってチャンスがあれば

一軍の試合にもでれるかもしれない。


二軍の調子がいいと

なかなか育成選手は

試合に出させてもらえないと思う。

だから篠岡は早く支配下登録されたい

って言ってた。

まだ入団もしてないのにな。

でも、そうゆう気持ちじゃないと

ダメなのかもな。