野手陣はキャッチボールをしている。

監督も水撒きしてるし、


「(やる事ねー…;;)」



ストレッチは最初にみんなでやったしなー;;


「大地ここで軽くキャッチボールしねぇ?

先発出たらブルペン入ろう」


「あーわかった」




ケツポケットの中に入れていた

ボールを出して肩慣らし。


肩回したり腰捻ったり肩胛骨気にしたり、

いろいろしてからボールを投げた。






「(そーいえば、

最近マウンドでよく投げてるよな俺…。)」


コントロールがいいからか、

………認められたか………ねぇな;;


監督の気まぐれだろ。


「(矢島達にも投げさせたらいいのに)」



矢島は投手から野手になったやつ。

篠岡が絶対的なエースで、

和田も経験積んで2番手ながら

けっこう投げてる。



篠岡と和田がいたから

野手に転向したのかな?



チームによっては

投手を3・4人入れるチームだってある。




「(頑張ってみたらよかったのに――…)」


逃げたとは思わない。

ただ頑張ってみたらよかったのにとは思う。



そぅ思うのは、

俺は矢島より力がないからなのかな?



「(やっぱ野球って難しい…)」






「こんにちはー」


かすかに声が聞こえて振り向くと

篠岡のじぃちゃんがいた。




「あ、こんにちは。

篠岡呼んできますよ」


「あーいいよ、いいよ。

監督さんはいますか??」


「はい。」



監督のところまで案内すると

いろいろ話していた。


篠岡のじぃちゃんって篠岡の事好きだよなー。


見るからに優しそうなじぃちゃんだ。


あの人が篠岡に野球を教えたんだよな……。