「ん。」
「は?」
「握手」
「……。」
篠岡の手は熱かった。
「何だよその顔;;」
「勝ちたかった……。」
「……。」
「……負けるかよ。
俺だって大地達の分まで背負ってんだ。
簡単には負けねぇよ」
篠岡の顔は、
真剣で強く俺を見ていた。
「………でも勝ちたかった…。」
「まぁ正直ビビったけどな」
「?」
「球速上がってたし後半いい球ばっかだし」
「………。」
「でもまだまだだなッッ」
「はッッ!?」
「大地、下半身はいいけど上半身が無いから
後柔軟性だろ、
すぐ顔に出るだろ、
バント処理に、
股関節と―――…」
「ちょっちょい待ち!!」
「??」
「んな多く言われても覚えらんねぇよ;;」
「悪ぃ(笑)」
「で、話って??」
「今日の試合、の、評価ってか意見、
聞きたくて――…」
「意見ねぇ――…
……球外すタイミングが悪い。
あと大地の事も考えろよ、
すぐにアイシングさせて
あともっとフォークを生かせたはず、
左右ばっかりだから予測されやすいし
ストレートが少ない。
真っ直ぐあっての変化球だから。」
「あ、あぁ…;;」
「傷ついた?」
ニヤッと笑う新谷。
「いや、今後に生かすわ。
ありがとう」
「………どーいたしまして。」