『内角にシュート』


きっとさっきの球を要求してるんだ。

さっきの球は自意識過剰かもしれないけど

いい球だって感覚で思った。















―――――…来い来い来い…!!


さっきのシュート待ってんだ!!

さっきのシュートは驚いた。


フォークも、

思った以上の落差だった。

無意識で腕出してカットできたのは

マグレだったな…。



正直驚いてんだ。


『俺』と『大地』は

『スタメン』と『補佐の3年』

だった。


試合に出れるのは俺のほうだ。

大地はアルプスで、

毎試合俺なんかより

声を荒げて応援している。

それなのに大地は俺より努力して、

今の試合でその結果を

アイツは出してるんだ。




俺なんかよりもの凄い力を、

みんなに見せ付けてる大地が

凄いと思った。



努力した奴が、

報われている所を初めて見た。



そんな成長した大地と、

こんな場面で勝負できるのが

すんげぇ楽しい。







来いシュート!!!!



「ッッ!!」

本当にシュートが来た!!



カキィィンン"ッッ


「ファール!!」




―――――すげぇ!!


なんだあれ(笑)

すげぇぞ!!


内角に入ってくるって

分かってんだけど

前には飛ばせなかった…。

バットに当てるのが精一杯で

体重移動とかそんなの、

考える余裕なかった……。