わかってんだよ。

俺の配球じゃぁ抑えれるのは

よくて序盤だけだ。

もぅ中盤だ。

打たれるのはわかってる。

三振取ろうと思うな。

凡打でいいんだ。

打たれても連打じゃなかったら大丈夫。

狙うのは三振じゃない凡打だ!!


配球が通用しなくても、

俺には出来ることがある。

やる事がある。

自信持て。







「外野4つ

ホーム優先!!」



まずはチームで1番大地の球見てる田中だ。

つっても三振2つだ。

塁に出たのは3回の1回だけ。

しかもそれは1球目から打った。




初球、内角に直球。
を一塁線のファール。

2球目に外のカーブ(ボール球)を振って

追い込んだ。



次の外角低めのシュートを

およぎながらも一塁線のファールにさせた。







『直球を内角』


けっこういいところに行った気がした。




「―…!?」

「なっ!!」



――――…カンッ



「スクイズ!!」


クソッ頭ん中からスクイズ消えてた!!



「ぃや、違う……」


三塁の篠岡がダッシュしとこなかった。


一塁ランナーの馬場が2塁に移動だから、



「ファースト!!」




送りバントは成功させてしまったけど

アウトなら取れる。



落ち着いてファーストに投げると―…




「篠岡走った!!」


「はぁ!!??」


もぅ俺はファーストに投げてる―…


このままじゃぁ篠岡が生還して

勝ち越される!!




「潤、前出てカット!!」


「一番谷ホームッッ!!!!」



セカンドの花田の言葉通り

一番谷は前に出てカットして

ホームに投げた。





――――…パンッ

――――…ズサァアアァァ…