「スイング!!」
馬場は瞬時に引っ込めたけど、
瀬田は右腕をクルクルと回す。
球審しかいないこのゲーム。
決めるのは球審だ。
「―――…っボール!!」
「っナイスセン!!」
「ナイス馬場ぁ!!」
しょうがねぇ。
馬場がよかった。
これに凹むんじゃなくて、
これを生かせ!!
ちょうどいい
まだ遊び球使えるカウントだ。
もぅ1回遊ぼう。
って言ってもギリギリの所にだ。
もぅ1度同じコースにだ。
『遅めの直球、外角』
早くにセットして投げた。
考える暇もやんねぇ。
「っく…!!」
パンッ
「ボール!!」
ボールでよかったって顔してるよ。
次は入れるってわかってるだろうな。
意識してる。
『直球を低めに』
低めには意識してねぇよ。
さっきから高めだったんだ。
打てても凡打かファールだ。
『直球を低めに』
はいはい直球を低めにね。
ボール3つ連続は嫌だよ;;
低めにだ。
真ん中いったら馬場にぶっ飛ばされるぞ。
っ…!!
ボールになったらそん時だ!!
気合い入れろ!!
あんときみたいに
楽しく考えてみたけどやっぱダメだ。
自分が不利なときに
楽しくなんて考えらんねぇ;;
だったら気合い入れて低めに投げろ!!
「っ…!!」
投げた瞬間ヤケになってた。
――――入ってくれっ!!