…いってェ~!!
いくら驚いたとは言え、本気でビンタしなくったっていいだろぅ~?
「……………」
「……………」
ビンタされた事で、空気があんまりよろしくない…。
いまだに俺らはラブホに滞在中。
まだ寝ているって思って、赤坂の抱き心地の良さと首筋から香る匂いに誘われるように近付いた時に目が覚めたらしく、俺と目が合って「オハヨ」って笑顔で言ったらビンタだ…。
怒って、ブラウスだけを羽織った赤坂だけど、知らないのかね~? ブラウスの裾からノゾく太股と、ギリギリ見えない下着が男の子を刺激しちゃう事を…。
俺のなんて反応しすぎ。思わずビンタされた頬より前屈みになりそうだったし。
「赤坂…、出るか? 俺、腹も減ってきた」
ビンタした事を気にしてんのかな? チラチラって俺の様子を見る。…まぁ、襲われるって思ったら、一緒にいたくはないな。そう思って、俺は床に散らばった赤坂の制服を拾ってベッドに置いた。
もちろん、一つ一つ畳んでない。無造作にだ。
だって、怖い相手とは近寄りたくないだろ? だから、さっさっと出るにこした事はない。
軽い鞄を持って、部屋を出た。