軽くパニックしかけの俺は、赤坂から視線を外す事がないまま、ジリジリと後ろに下がるけど…これも後ろに下がれば迫って来る。
「ちょっ、ちょっと待てよ!!」
な、何だよ。これって…男の俺が、女子の赤坂に詰め寄られてるって構図ってッ!!
ごつっ!
いって~ぇ!! 壁際まで追い込まれた俺は、案の定頭をしこたまぶつけた。
「…ぃいや~。あ、赤坂さん? おちつ…んんっ!」
落ち着けよ。って、言うつもりだったけど、最後まで言う事が出来ずに、赤坂にキスされた。
あ~、やっぱコイツ上手すぎ!! 全然、抵抗が出来ない。
でも、されるがままじゃないから俺は赤坂の両肩を掴んで引き離そうとした。
「赤坂ッ…って…!!」
ようやく離れた赤坂の顔を見て、俺は唖然とした。
切れ長で、どちらかと言えばプライドが高い赤坂の目からボロボロと涙が零れていた。
「…ふ……ぇ~……」
両手で顔を覆って、泣きじゃくる赤坂に、俺は本気でオロオロした。だって、意味が分からないまま泣き出したら、そりゃービックリするだろ!? オマケに泣きやむ気配が無い。
「あか、赤坂…?」
白くて細い肩と華奢な腕。