何度か入った事のあるようなラブホの構図だったけどいつもとは違う。だって相手は赤坂だ。
けど、ゲームで赤坂と寝れば俺の勝ちだけど…この場合ってどうなるんだよ? 赤坂が俺に対して恋愛感情は…ない。
「ちょっ…赤坂、何早まってんだよ? お前らしくないよ!?」
「……私らしくない…?」
俺の言葉に反応した赤坂は、無表情だった顔から変に歪んだ笑みに変化した。でも、笑ってるのは口元だけで目は笑っていない。
ゾクッと背筋に冷たいモノが走った。
赤坂のいつもの顔ではなくて、知らない女の顔をしていた。
「あかさ、か…」
異様な空気に俺は、後ろに後ずさって赤坂との距離を取ろうとするけど、一歩下がれば一歩進んで来るの繰り返し。
けど、結果は思わぬ所でついてしまった。
「っ、どわぁっ!」
「…ぇえっ!?」
足に何かに躓いて、俺は後ろにひっくり返って…。
条件反射って怖いよな。
後ろにコケそうになった瞬間、とっさに俺は赤坂の肩を掴んでしまった。…もちろん、結果は赤坂と俺はコケた先がベッドだったって事もあって怪我もなければ頭を床に打ち付ける事もなかった。
でも、それなりの衝撃もあって頭がクワンクワンする。