けど、妻ちゃんは赤坂の事は…何とも思ってないようにも思えない。赤坂の事を心配してるようにも見える。


けど、どこか違和感のようなモノを感じる。


二人の姿をもう一度見た時に俺は、後悔した。


赤坂が妻ちゃんに抱き付き、薄いブルーのカッターシャツに細い指で逃がさないように掴んでいた。


「将ちゃんしかいないのッ!!」


「静……ッ!?」


二人は…違う、赤坂が妻ちゃんを震える手でシャツを掴んだまま、強引に引き寄せてキスをした。


その光景を見てしまった俺は、弾かれるように立ち去って、一階下の踊り場に辿り着いて、混乱する頭を落ち着かせようと何度か深呼吸をした。


教師と生徒って…ダメなんじゃねぇの!?


って、赤坂って俺に名前で呼ばれたくないって言ってなかったっけ? 妻ちゃんには、呼ばせてたよな…名前で…。


な、何だよ。好きな相手、いんのに…俺と付き合うのをOKするなんて、絶対変だよ!!
何が恋愛は遊びじゃないって俺に説教してたヤツが、二股かけてんだよ!! 本気の恋愛なんて、アイツはしてないじゃん!