けど、両親が引き取りたくないって…。


「複雑な家庭環境なんだ…」


「………まぁそう言う事だけど…」


「でも、赤坂は赤坂だろ? それに、俺のお袋だって自慢じゃないけど3回離婚してるしな。気にする所じゃないよ」


お離婚家庭なんてよくある話じゃん。何を言いにくそうにしてるんだか…。


「まぁ、諒がそう言うんなら、大丈夫だろ。…俺、行くわ。里莉待ち伏せしてるし」


立ち去る礼司の背中を見送った俺は、赤坂を探して職員室へ向かった。赤坂は今日、日直みたいでクラスの提出物を提出しているって聞いた。


職員室って、どうしてこう入りづらいのかな?


生徒の出入りがある度、教師の出入りの度に職員室をこっそりと見渡すけど、赤坂の姿らしきモノは見当たらない訳で…。


「何やってんだ? 嶋田」


「わぁっ! って、香川かよ~!! 脅かすなよ!」


「こら、教師に向かって呼び捨ては聞き捨てならんな。よし、担任に言いつけて成績を落としてやろう」


「わー!! わー!! すんません、すんません!」


とっさに出た名前が、ダチと話す時の中で出る呼び名だった。


やっべー! ひたすら誤りたおす俺。何とか香川は許してくれた。香川は臨時教員だけど、大学出たばっかりと言うのもあって女子からかなり人気。