「まぁねぇ~。誰かサンが教えてくれる勉強方法より分かりやすくってさ~ァ」
「お前がすぐに理解出来ないのが悪い。…でも、お前が赤坂を狙うとはなぁ…」
「はぁ?」
突然、訳の分からない事を言い出した礼司に、首を傾げた俺。
赤坂を狙うのが都合が悪かったのか? 一応、周りに赤坂の噂をそれとなく聞いたけど何もなかったはず…。
「何かイケないのか?」
「…イヤー…。特に、何もないはずだけど…」
「何だよ。ハッキリ言えよ」
何だかハッキリしない言い方をする礼司に、俺はイライラするだけ。どちらかと言えば俺は、単刀直入に言ってもらった方が楽だし分かりやすい。
なのに、礼司はハッキリしない言い方が俺のイライラを増長する。
「ん~…。あくまで俺の聞いた話だからな。あまり深入りしない方がいいと思って、言いたくなかったんだけどさ」
「いいよ。言えよ。別に、深入りなんてしねぇよ」
「諒、赤坂は両親が離婚してるんだけど、二人ともあいつを引き取りたくなかったみたいだ。何でか分かるか?」
離婚はよく聞く話だ。俺のお袋だって、3回離婚してるさ。でも、姉貴と俺がいるから幸せだって言ってた。