妻ちゃんの方を見てないんだけど、明らかに俺の時と様子が違う。


「嶋田は勉強する気になったのか? 英語だけど俺は嬉しいな」


俺のノートを覗き込んで本当に嬉しそうな顔をしている。…まぁ、確かに今まで勉強なんてほとんどしてなかったからな。


って、そんなに喜ばなくたっていいだろ!! 俺がそうとうアホみたいじゃん! ひ、否定はしないけどさ…。確かに後ろから数えた方が早いさ。


「赤坂も、こいつを頼むな」


「…………先生。それは、もちろんですよ。私と彼…付き合ってますから」


「え……」


「………………」


驚いたのは俺だけじゃなくて、妻ちゃんもだった。


だって、無表情だった赤坂がニッコリって笑って俺と付き合ってるって言うんだから…。


「そ、そうか…」


戸惑いつつも、俺と赤坂が付き合っている事を受け入れる妻ちゃんだけど、今までに見た事がないぐらいに動揺していた。


「……妻田先生、今日は職員会議じゃないですか?」


笑う赤坂だけど、それがどこか怖くて俺はゾクリと寒いモノが背筋を走った。