――――ブイイーン… どんどん車が加速していく。 遼平さんは、さっきとは打って変わって、前だけ見て、真面目に運転している。 たぶん…… あたしが怒ってるって思ってる。 さっき、あんな態度取っちゃったんだもん。 そう思っちゃうのも当たり前か。 だけど…… あたし、怒ってるわけじゃないよ……?? ―――ギュウ… 遼平さんに気付かれないように、 胸の辺りのカッターシャツをそっと握った。 なんかね…… さっきからものすごく、 胸のあたりが痛いの。 心臓が、ドックンドックンいってる。 .