「遼平さん、遅いなあ…」 そんなことを呟きながら、 あたしは時計を見た。 遼平さんが部屋を出て行ってから、もうすぐ二時間。 いくらなんでも、遅すぎる。 もう、分からなかった問題理解しちゃったのに…。 あたしの涙はもう乾ききっていた。 ほんとは、問題が分からなくて泣いたわけじゃない。 幻滅されたくなかったから。 こんなバカなあたしを見た遼平さんに、幻滅されたくなかった。 好きな人に、カッコ悪いとこなんか見せたくないもん。 .