仕事が終わり、 俺はコーヒーを飲みながらカレンダーを見つめていた。 ベランダの窓を開けているせいか、秋風が少しだけくすぐったく感じた。 桃が俺のところに電話をかけてきてから、かなり経つ。 今日は11月4日。 俺のカレンダーには、【6日】のところに、しつこいほどの赤マルが書いてあった。 この日が、俺の決戦日。 まあ、そんなに重大なことではないのだけど。 事は、少し前に遡る。 俺が、遼平の部屋で桃と電話していた時だった。 .